Try Angleでは「病気や障害の有無にかかわらず誰もが旅行を楽しめる社会」を目指し、様々な活動を行っています。そのうちのひとつが「遊びのサークル」です。
遊びのサークルでは、BBQや海水浴、そり遊びなど、子どもたちが障害の有無にかかわらず遊びを楽しめる場づくりを1シーズンに1~2回程度開催しています。
今回は8月12日(土)に羽咋市の千里浜なぎさドライブウェイにて、海水浴を体験する『ユニバーサルビーチin千里浜』を行いましたので、その模様をご紹介します。
※写真は参加者の方のご了承の範囲で掲載させていただいています。
※今回のイベントは、パブリックリソース財団Y’sファンドD&I基金の助成を元に開催しました。
NPO法人須磨ユニバーサルビーチプロジェクトさんのご協力のもと実現!
今回の海水浴は、兵庫県に拠点を置くNPO法人須磨ユニバーサルビーチプロジェクト(以下、須磨UBP)の皆さんにご協力いただき、4組のご家族・ご友人・ヘルパーさんら17名の方が参加してくださいました!
また、かがやき在宅診療所さん、チェアラボ金沢さんにも車いすの移乗や姿勢保持でサポートをいただきました。
設営の様子
当日の天気は快晴、気温は34℃、波の高さは1mの予報。少し白波が立っていました。
お申し込みいただいたご家族には、10:00〜11:00、11:00〜12:00の時間帯で体験をいただきました。
スタッフは8:30ごろから集合、まずは会場設営です!
須磨UBPさんが砂浜の上でも車いすやベビーカーが操作しやすいビーチマットを持ってきてくださり、駐車スペースから着替えテント、海までの道を作ってくださいました。
また、水陸両用車いすヒッポキャンプも組み立て完了。日除けテントや着替えテントなども設営し、準備万端です!
車からすぐに海に入れる千里浜は、まさにDoor to Seaな環境!
参加者の方も、続々と千里浜に到着。千里浜は日本で唯一車で走れる砂浜で、車で波打ち際まで直接くることができるので、車いすユーザーにとってアクセスしやすい海です!
座位が取れないお子さんは、前輪を持ち上げたり、クッションを挟んだりしながら、ヒッポキャンプに乗り換えます。
酸素ボンベは防水バッグに入れて、ボランティアさんに担いでいただきました。
波が顔にかかって大泣きの場面も…!
ヒッポキャンプを降りて、波打ち際で打ち寄せる波を楽しんだりもしました。
人工呼吸器を使用している方は、アンビューバックに切り替えて海に入りました。
濡れるのは胸より下の高さにするよう、常に波の状況を観察して対応します。
波打ち際で、波の音、潮の香りを楽しみます。
波が高くなってきたら、ボランティアスタッフが海の中に座り、波消しブロックの係になります。
時折、強めの波が来ることも…!背中で受け止めつつ、浮き上がる車いすを押さえます。
テーマパークのアトラクション並みの激しさですが、お子さんは笑顔で楽しんでくれました。
お子さんたちはライフジャケットを着用し、それぞれにスタッフが付き添って、安全を確保します。きょうだい児さんも一緒に海水浴を楽しみました!
ヘルパーさん&お友達と一緒に参加された方もいらっしゃり、大変盛り上がりました!
SNSでは当日の様子を動画でご覧いただけます!
参加者のみなさんからいただいた感想
参加されたご家族からは、
「今日は皆様のおかげでなかなか出来ない素敵な体験ができてほんとに良かったです。息子は大好きな海に6年ぶりに入れ、楽しく過ごせました。皆様にお会いでき嬉しく思います。この先も前を向いて行く勇気ももらいました」
「いろんな方が関わってくださったおかげで、家族だけではできないアプローチでの入水が出きたなと思います。 波の高さは想定を越えていましたが、それも良い経験になりました」
「貴重な機会、ありがとうございました。初めての海で子どもたちそれぞれが生き生きと楽しんでいました。また、スタッフの皆さまが、子どもたちが安全に楽しく過ごせるよう工夫や配慮をしてくださり、安心して参加することができました。スタッフさん方、他の参加者さんご家族の様子を拝見したりお話させていただき、大変勉強になりました。来年もぜひ開催していただけたらありがたいです」
「念願かなっての初参加でした。経験豊富なスタッフの方にすべておまかせで、ドーンと身を任せ、楽しむことができました。とても丁寧に対応を考えてくださっていて、不安要素一切なし!また機会があったら参加したいです」
といったお声をいただきました。
須磨ユニバーサルビーチのみなさんがこれまで培われたご経験、ボランティアの方々の工夫や発想力のおかげで、楽しく無事故で終えることができました。
ご参加いただいた皆さん、ボランティアでご協力いただいた皆さん、須磨UBPの皆さん、ありがとうございました!
「旅への障害」は人の手でなくせる
Try Angleのミッションにもある「旅への障害」というキーワード。今回のユニバーサルビーチを通して、改めて、さまざまな障害は人の手で、工夫次第で、なくしていけるものだと感じました。
また、今回のイベントでは初対面同士の方もいらっしゃいましたが、海に入ればみんな混ざり合って波に歓声をあげて楽しんでいらっしゃり、その様子がとても印象的でした。
一緒に楽しむこと、助け合うことで、自然と千里浜がダイバーシティ&インクルージョンな場となっており、千里浜の新たな可能性を感じる1日となりました。
また来年もユニバーサルビーチを実施できるよう、検討していきたいと思います。
Try Angleでは寄付で活動をサポートしてくださる寄付会員を随時募集しています。毎月のご支援以外にも、単発でのご支援も承っております。
いただいた寄付は、 Try Angleのビジョン実現に向けての企画・運営費などに活用させていただきます。
ぜひ、「病気や障害の有無にかかわらず誰もが旅行を楽しめる社会」づくりにご参加ください。
また、Try Angleでは引き続き、実践を通して、インクルーシブな遊びの場づくり、アクセシビリティの高い地域づくりに向けて、働きかけをしていきます。
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