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「まるっとこども縁日」を開催しました!D&Iな縁日にするために工夫した5つのポイントもご紹介!

Try Angleでは「病気や障害の有無にかかわらず誰もが旅行を楽しめる社会」を目指し、様々な活動を行っています。そのうちのひとつが「遊びのサークル」です。

遊びのサークルでは、BBQや海水浴、そり遊びなど、子どもたちが障害の有無にかかわらず遊びを楽しめる場づくりを1シーズンに1~2回程度開催しています。

今回は9月16日(土)〜17日(日)に金沢市大野町の「まほうのだがしやチロル堂金澤店」と「大野こまちなみ公園」をお借りして、医療的ケア児をはじめ、お祭りへのアクセスしづらさを感じている子たちも歓迎する『まるっとこども縁日』を行いましたので、その模様をご紹介します。

※写真の一部を加工しています。

まるっとこども縁日の出店内容

お祭りへのアクセスしづらさに対する工夫をし、”ダイバーシティ&インクルージョンなお祭り”になるように試みた今回の縁日。

出店は以下のような内容でした!

縁日コーナーの設置(スーパーボールすくい、ヨーヨー釣り、くじ、わなげ、モルック等)

店内と公園の一部で縁日コーナーを設けました。

障害の有無に関わらず楽しめるフィンランド発のユニバーサルスポーツ「モルック」は自由に体験いただけるコーナーとして、お子さん各々に遊んでいただきました!

チロル堂金澤店によるおにぎり、フランクフルト、かき氷、きゅうり等の販売

9月とは思えぬ暑さで、33℃を記録した2日間。かき氷がとっても人気でした…!

医療的ケア児用のハンドメイド作品の販売

障がい児のためのハンドメイドグッズの制作・販売をしている「on peut(オンプゥ)」さんの物販コーナーも設置しました!

小児がん経験者と家族の会「くるみカフェ」によるレモネードの販売(16日のみ)

お子さんお手製のPOPでお客さんに商品を宣伝!店内奥のコーナーでの販売だったため、公園まで出向いて移動販売する子も◎

お客さんのニーズを捉えるのが上手でした👏

放課後等デイサービス”ヴィストカレッジ金沢駅前”の利用者による就労体験

就労体験の一環として、放課後等デイサービスの利用者さんに、千本ひきのコーナーや、飲食コーナーの清掃など、縁日の運営をお手伝いいただきました!

皆さんが作ったハンドメイド作品のスイーツマグネットの販売もしていただきました。

ダイバーシティ&インクルージョンな縁日のために工夫した5つのポイント

縁日コーナーでは、車いすに乗ったお子さんでも楽しめるような工夫を5つ取り入れました。

1. アクセス環境の改善

車いすに乗ったお子さんとのお出かけは、ほとんどの方が自家用車で移動されています。

今回は会場近くのお寺「名聲寺」さんと「株式会社羽根」さんにご協力をいただき、車いす専用駐車場を設けました。

駐車場案内では、共催でご協力いただいている「医療法人社団 映寿会」の皆さんにもご協力をいただき、3ヵ所の駐車場の空き状況を確認しながら誘導をしていただきました。

また、イベント情報にアクセスする環境も改善できたらと思い、今回のイベント案内のチラシも、石川県立特別支援学校(小学部)や、医療的ケア児が利用している放課後等デイサービスで配布をいただきました。おかげさまで、多くの方にイベント情報をお届けすることができました!

2.バギーに乗ったままでも楽しめる距離まで近づける

バギーに乗った状態では、地面近くのヨーヨーやスーパーボールを見ることが難しいため、今回は取手付きのタライを用意しました。

お子さんが好きな色をいくつかピックアップし、バギーに座ったままでもどんな模様のものがあるか見れるようにしました。

ヨーヨーつりでは紙の”こより”だけではなく、タコ糸で釣り上げられるようにした釣り具も用意し、力加減が難しいお子さんも楽しめるようにしました。

スーパーボールすくいも、紙製のポイだけではなく、あくとり用のお玉も用意。親御さんと一緒にすくう体験をしました。

また、千本ひきも、引っ張る糸を長くし、バギーに乗った状態でも糸を選べるようにしました。

3.近づいて楽しみたいお子さんむけの対応

普段は車いすに乗っているお子さんも、近くで見て楽しみたい場合には、車いすから降りていただいてももちろんOKです。

低いアウトドアチェアも用意しておくと、疲れた時に座ることができます。

足をけがして松葉杖を使っているお子さんも、低めのチェアを用意することで、じっくり楽しんでいただくことができました◎

わなげは輪を投げる線は決めず、お子さんそれぞれがチャレンジしたい距離を決めてもらい、そこから投げてもらいました。

4. 感覚を使って遊べる景品の選定

千本ひきの景品には、プッシュポップやスクイーズ、光る指輪など、感覚を使って遊べるもの、細かな動作が難しいお子さんでも楽しめるものを選びました。

千本ひきで当たった「光る指輪」を、すぐに開けて楽しんでくれていました☆

5. 休憩スペースの用意

医療的ケアやオムツ替え、授乳などに使えるよう、小上がり空間の一部(4畳半)を多目的スペースとして確保しました。

多目的スペースにはオムツ替え用の場所としてヨガマットを敷き、電源確保のため、電源タップを用意しました。

(肝心の多目的スペースの写真を撮影し忘れてしまいました…)

Try Angleが考えていた工夫は上記の5つだったのですが、今回のイベント運営で感じたのは「PareTTe(パレット)」さんや、「on peut(オンプゥ)」さん、「くるみカフェ」さんなど、障害や病気のある子やその親御さんがその会場にいらっしゃるということ、そこで出店されているということも、当事者ご家族にとって行きやすい(行く理由になりやすい)ということでした。

あらゆる人が社会に参画していることが、外出しやすい社会につながっていく、ダイバーシティ&インクルージョンな社会を実現していくのだなと感じた2日間でした。

※PareTTe(パレット)さんのInstagramの投稿もぜひご覧ください。

来場者の方からいただいた感想

来場された方のアンケートでは、

「障害をもっている方と普段接する機会がなくてどう接したらいいのか分からないのが正直なところでした。でも今日の縁日の場で当たり前に障害をもった人ももってない人も一緒に過ごせる場がある事がいいなぁと思いました。」

「わなげ、スーパーボールすくい、ヨーヨー釣りに参加させてもらいました。バギーに乗った娘も桶に入れて釣れるようにしてくださり楽しめました。」

「障害のある子も排除せず歓迎してくれるあたたかい雰囲気と、障害のある子に特化してしまうのではなく、ハンデのある子もない子もそれぞれのやり方で楽しめる方法を考えてくれていたところがよかった

といった感想をいただきました。

また、お祭りのダイバーシティ&インクルージョンを進めていくための工夫としては、

「お祭りに行っても食べられるものが無いというのも聞いたことがあるので、フランクフルトや焼きそばをミキサーにかけられたり、ラムネ飲料にとろみを付けられたりするインクルーシブフード化ブースがあったら面白いなと思います。」

「畳(寝転がれる場所)、オムツ交換ができる場所、キッチンバサミなど食事を食べやすくするもの、お手伝いスタッフがいる遊びスペース(きょうだいの子と親が遊びに行けるよう、ケアの必要な子と一緒にいてくれるお手伝いの人がいるといいのかな)

などのお声をいただきました。

いただいたご意見は、今後のTry Angleの活動に活かしていきます。

運営やご寄付で応援してくださった皆様、ありがとうございました!

今回は当日運営にあたって、以下の方々に共催、ご協力をいただきました。改めてこちらでご紹介させていただくと共に、感謝の気持ちをお伝えできればと思います。至らぬ点が多々ありましたが、ご協力ありがとうございました!!

共催:
一般社団法人ヤッテミヨウ(チロル堂金澤店)
いしかわ医療的ケア児・障害児家族グループ「PareTTe(パレット)」
医療法人社団 映寿会 介護老人保健施設みらいのさと太陽
医療法人社団 映寿会 金沢市地域包括支援センターくらつき

協力:

大野町町会連合会(地域住民の方への告知)
株式会社羽根(駐車場提供)
名聲寺(駐車場提供)
on peut(障がい児のためのハンドメイドグッズの販売)
小児がん経験者と家族の会「くるみカフェ」(レモネードの販売)
Harmonize(プロジェクトマネジメント)
KuKi(デザイン制作)
ヴィストカレッジ金沢駅前(設営、当日運営)
かがやき在宅診療所(当日運営)

チロル堂スタッフさん、映寿会の皆さんと記念撮影しました📷

また、千本ひきの景品をはじめ、今回の縁日に使用する備品の一部はAmazon欲しいものリストで物品寄付を募り、10名の方からご寄付をいただきました。誠にありがとうございました!

そして、ボランティアで当日の運営に関わってくださった8名の方々も、本当にありがとうございました!

※なお、今回のイベントは、パブリックリソース財団Y’sファンドD&I基金の助成を元に開催しておりますが、縁日の各コーナーの売上は各コーナーの運営者にお支払いしました。医療法人社団映寿会さんが運営されていたスーパーボールすくい、ヨーヨーつり、わなげの売上は映寿会さんのご意向により、弊会とチロル堂さんに半額ずつご寄付をいただきました。

地域のイベントにも参加しやすい環境づくりを進めていきたい!

Try Angleのミッションのひとつに「その人なりの一歩を後押しする」というものがあります。

今回、お祭り(縁日)をダイバーシティ&インクルージョンなものにするというのは、Try Angleにとっても、共催でご協力いただいた団体さんにとっても初めての試みであり、私たちなりの一歩でもありました。

来場いただいたお子さんたちの中にも、今回が生まれて初めてのスーパーボールすくいやヨーヨーつりだった子もいます。

さまざまな人たちの力をお借りしながら、実現した今回の縁日。運営側だけでなく、来場された方にとっての「その人なりの一歩を後押し」できていたら嬉しいなと思います。

そして、ダイバーシティ&インクルージョンな社会を作っていくためには、障害のあるなしで分けるのではなく「同じ空間を共有すること」がまず必要で、「一緒にいるためにどのような場を用意すればよいかを試みる数」を重ねていくことが、大切なのではと感じています。

今後は、Try Angleが運営するイベントだけではなく、地域のイベントやお祭りに障害の有無に関わらず参加できる環境をいかに作っていくかを検討し、一緒にいるための場づくりの試みを重ねていきたいと思っています。


Try Angleでは寄付で活動をサポートしてくださる寄付会員を随時募集しています。毎月のご支援以外にも、単発でのご支援も承っております。

いただいた寄付は、 Try Angleのビジョン実現に向けての企画・運営費などに活用させていただきます。

ぜひ、「病気や障害の有無にかかわらず誰もが旅行を楽しめる社会」づくりにご参加ください。

また、Try Angleでは引き続き、実践を通して、インクルーシブな遊びの場づくり、アクセシビリティの高い地域づくりに向けて、働きかけをしていきます。

Try Angleの運営を手伝いたいといった嬉しいお申し出や、質問や協働のご提案などありましたら、以下の問い合わせフォームよりお寄せください!